少子高齢化と老人ホームの現状~介護業界で5年勤めたかいごちゃんが分析!~

少子高齢化と老人ホームの現状~介護業界で5年勤めたかいごちゃんが分析!~

少子高齢化は以前から日本の極めて重大な社会問題として注目されてきました。日本政府は様々な対策を打ち出してきましたが、その勢いは衰える事なく加速しています。

介護・医療業界を5年経験した筆者が少子高齢化の要因と共に、急増する老人ホーム需要の現状なども分析していきたいと思います。

少子高齢化とは


 

少子高齢化とは出生数が減って、65歳以上の高齢者が増えていき、さらに高齢者の寿命が伸びていく事を言います。

ようするに出生数が減る「少子化」と、国の人口に占める65歳以上の人口が増大する高齢化が「ほぼ同時」に進行していくような状態と言えます。

近年、マスコミでも多く取り上げられてきましたが、未だこれといった解決策がない状況です。

少子高齢化が進んでいくと、若い世代の労働力不足、年金受給額の減額、医療費が増加するなど、様々な問題がおこります。

 

少子高齢化の要因


 

 

日本の急激な少子高齢化の主な要因は、出生数の減少による少子化と、日本の平均寿命がのびた二つがあげられるでしょう。

出生数減少と出生率低下には様々な要因が考えられていますが、主な原因として子供を産む歳の高齢化に続き、女性の晩婚化や未婚化という社会現象が考えられます。

近年、日本が平均寿命が伸ばす事ができたのは、段階的な死亡率の低下によってもたらされたと考えられています。

昭和初期には60歳が平均寿命だったものが、戦後になると栄養状態、公衆衛生面が大幅に改善された事に続き、医療技術の進歩、抗生物質の普及により昭和後期には70歳にまで伸びています。

さらに、感染症対策、医療機関や保険制度の充実、によって、乳幼児や若者の死亡率も大幅に低下し、現在の80歳まで伸びていきました。

さらに、最近の平均寿命は、食生活など健康への配慮が高まった事や急速な最先端医療の開発により、三大疾病における死亡率の低下や病を抱えながらの生活を送れる事もあって、40歳以上男女の死亡率が大幅に改善されたことも影響していると考えられます。

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首都圏の高齢者増加


 

東京都を中心に、神奈川県や埼玉県でも高齢者は増加傾向にあります。戦後の高度経済成長期には、職を求めて地方から多くの人が首都圏に移り住みました。そこで移り住んだ人が、現在からあと10年の間に高齢者となりつつあります。

上のグラフは2010年の高齢者数と、これからさらに増加する高齢者数のグラフです。

2010年と比べると倍近くになる都道府県もあります。東京、埼玉、神奈川、千葉を中心とした首都圏でこのような状態なので、地方の比率はもっと酷くなるでしょう。

高齢者が増加しているものの、東京を中心とした首都圏では土地の価格が高騰しており、老人ホームなどの介護施設の土地の確保が難しいという問題点さえあります。

そのため、周辺に位置する埼玉県、神奈川県などでも多くの介護施設が建設されてきましたが、流入が激しく高齢者を受け入れる余裕も無くなってきているのです。

 

老人ホームの需要


 

高齢化の中には介護が必要なのに、施設でも在宅でも適切な介護サービスが受けられない方が多数存在する事も一つの社会問題として話題になっています。

今後は、高齢者世帯の大多数が独り身か高齢者夫婦だけとなることも予想されています。

厚生労働省の老人ホームの施設調査の結果によると、全国にある有料老人ホームは約11,000施設です。高齢化に伴って、介護施設は以前から増加傾向でしたが、この近年はさらに多く増えているという状況なのです。

先程の内容にように老人ホームの数は年々増加傾向にあるものの、常に介護施設数は不足している状態であると言われています。

昨年行われた厚生労働省の老人ホームの施設調査の結果では、全国にある有料老人ホームの定員は約420,000人です。

介護施設への入居率は83%となっており、この数字を定員数に当てはめると、有料老人ホームでは70,000人の空きがあることになります。

70,000人分も空きがあるなら、空いている老人ホームに入れていけば解決すると思いがちですが、そう単純な問題でもないのです。

 

介護難民が生まれる原因


 

有料老人ホームに約70,000人の空きがある原因の一つに、施設が同じ地域内に多く建てられている事もあげられます。

老人ホームの定員よりも入居希望者の方が多くなってしまうと、入りたい人や入居させたい親族による老人ホームの争奪戦という状況が起きてしまいます。

そうした中、近年では介護施設に入りたくても入れない「介護難民」という言葉さえも生まれました。

もちろん、働く人の職員も限られていますので、介護職に関しても取り合いで足りなくなっているという状況が重なっていることもあります。

そうなると、入居の空きがあるのに、今度は入居する人がいなくて経営状態が悪化してしまう介護施設も出てきます。

地域によって施設の空きが多く存在する地域と、待っていても入居できない地域があったりと、とてもバランスの悪い事になっているのです。

 

老人ホームの現状


 

 

先程の記述通り、老人ホームは入居者の偏りと介護職の不足が深刻化しています。

今後の高齢者問題や介護難民への解決策へと期待したい所です。

日本のメディアでは介護業界の現状を取り上げている事も稀にありますが、世間の関心はまだ薄いと言えるでしょう。

これから親御さんが介護施設に入所予定の方や、介護施設で勤務を検討されている方は施設内の生の声による評判や口コミ情報を求めています。

インターネットで検索しても、良い事しか書かれていなかったり、現状を知る事はなかなか困難です。

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